目的地までが目的地

 銷魂橋 たまげばし
 完成 平成5年3月  橋長 12.8米
 水戸市本町-水戸市紺屋町  路線 県道180号長岡水戸線

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 水戸市本町・紺屋町に在る備前堀に架かる橋。県道長岡水戸線が通る。江戸期には,水戸から江戸に至る水戸街道(江戸街道)の起点とされ,岩城・相馬に至る者もこの橋を必ず往来し,城下と田舎との境界をなした。古くは七軒町橋と呼ばれていたが,徳川光圀の命で「銷魂橋」となったとされる。銷魂には,「驚きや悲しみにより気力が失せる」という意味があり,この橋から遠方に赴き離別する悲しみを橋名に現した。その旨が,「水府地理温故録」「新編常陸」に書かれている。
 現在の橋は,平成5年に架けられたもの。かつての水戸街道の起点として,御影石で欄干が設えてあり象徴的だ。先代の橋は,昭和32年完成のコンクリート橋。それ以前は,板橋があった。銷魂橋の漢字表記だが,昭和32年の橋には,「消魂橋」と書かれていたようで,角川地名大辞典にもそう書かれている。これは,銷魂と書くのが本来だが,現代になって常用漢字への置き換え・代用が国語審査会で示されたことによるものと推測する。









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